
自分の子供の歯並びは、親として非常に気になると思います。矯正をした経験がある方よりも、矯正をしたことがないと言う両親の方が多いのでは?今回は、矯正について様々な疑問に対して説明します。
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子供の矯正はいつからすればいい?
子供の矯正治療の開始時期は、成長遺伝症例などの個人差があるため、「○歳までに矯正する必要がある」とは決定することはできません。ある程度の目安として、乳歯から永久歯に生え変わる時期である、7歳~8歳あたりが1つの子供の矯正をする時期とみます。噛み合わせが反対になっている場合(うけ口)や前歯に隙間が大きく空いている場合(開咬)の場合は、5歳~6歳くらいから矯正を行う時期として考えられます。
矯正の費用はどのくらいかかるのか?保険適用なのか?
矯正の症例によって金額は様々です。歯科医院によって設定されている金額も異なります。矯正の治療の流れとして、
相談 無料~¥5,000
診断検査 無料~¥80,000
治療 ¥50,000~¥400,000
装置の装着(装着料は取らない医院が多い) ¥20,000~¥100,000
保定(きれいになった歯並びを維持するための装置や器具)¥10,000~¥30,000
(その都度、観察料や管理料などとして、毎回¥5,000~¥10,000かかることもあります。)となっています。症例によってかなり金額が異なりますが、矯正の治療が終わるまで、およそ¥200,000~¥600,000かかります。
矯正治療は基本的に自費診療なっている為、保険の適応となりません。しかし、明らかに顎の骨格のかたちに異常があると診断された場合は、保険の適応となることがあります。(それでも高額治療です)
矯正したいけどお金がない場合は?
矯正したいけど、お金がないという方はデンタルローンを用いて矯正治療を行う方法があります。通常の金利よりも低く設定されているのが特徴で、患者さんへの負担が少なく設定されています。
医療費控除は効くのか?
多額の医療費を支払った場合、確定申告を行う事で、所得税などの一部が戻ってくることがあります。子供の矯正治療でも家族が行った治療であれば、医療費控除に含まれことになります。戻ってくる額は、治療費用と年収によって異なります。
コープ共済には、病気やケガの治療を直接の目的とする場合は、手術共済金という制度があります。運動中に生じた怪我の治療などは手術共済金の適応となります。顎の形に異常がある場合(上顎前突や下顎前突などのような顎変形症)の骨を切るような手術で顎の
位置を治す場合は、手術共済金として認められますコープ共済の控除は認められない可能性が高いので見出し削除。
子供の矯正はどのようなものがあるのか?
子供の矯正治療は、子供の体の成長を考えて行う必要があります。そのため、乳歯と永久歯が混ざった時の矯正の後、永久歯に生え変わった時の続けて行う治療方法を用いることがあります。
混合歯列期に行う治療方法
6〜12歳くらいの子供が対象となる治療方法で、「床矯正」という入れ歯のような装置を用いて行う矯正治療があります。バイオネーター、FKOなどという装置を用いて、唇などの筋肉や舌の力の機能を利用して、顎の成長を正しく誘導する治療方法です。
他には、「拡大装置」と言われる装置を用いて、強制的に顎の大きさを広げて歯が正しい位置に生え揃えるようにする矯正治療があります。
永久歯列期に行う治療方法
13歳くらい以降の子供が対象となる治療方法で、「ワイヤー矯正」というワイヤーを用いて行う矯正治療があります。歯の一つ一つにブラケットと呼ばれる装置をつけ、ブラケットをつなぐようにワイヤーを通し、引っ張る力で歯並びを整える治療方法です。
子供がマウスピース矯正を行う場合
子供の場合、原則的に2次矯正ではワイヤー矯正が行われます。マウスピース矯正を行う場合は、7番と呼ばれる第2大臼歯が完全萌出してからの13歳以降が目安とされています。
最近の矯正治療の流行りとして、「マウスピース矯正」があります。現在の歯並びの型を採り、コンピューターでシミュレーションをして歯の模型を作り、この模型を元にマウスピースを作成して歯に装着させて、歯を移動させていくという矯正治療です。
子供がマウスピース矯正を行う場合
子供の場合、体の成長に伴い顎の成長も考えて矯正をしないといけません。また、乳歯の生え変わりなどもあるため、幼児、低学年~高学年でのマウスピース矯正は適応外である場合があります。子供がマウスピース矯正を行う場合は、ある程度大人の歯が生えそろっている時期である、13歳ごろから開始することが目安とされています。それまでの年齢まではワイヤー矯正が好ましいです。しかし、歯と顎の発育期とされる7〜12歳までにある程度治療が進んでいれば、マウスピース矯正も可能になります。
矯正治療の失敗とは?
必ずしも矯正が成功するとは限りません。適切な治療が行われず、満足いく結果にならないこともあります。治療計画と異なる治療が行われた。なかなか治療の効果が得られなかった。自分ではまだ歯並びがきれいになっていないのに、治療が終了となった。など自分が思い描いていたことと異なることが矯正治療の失敗と言えます。
まとめ
矯正治療は、歯科治療の中でも専門性が高い為、患者さんの想像、理解がなかなか難しいことが多いです。しかも、高額治療であるため経済的な負担もあります。矯正治療がうまくいくためには、歯科医師と子供と両親のコミュニケーションを十分にする必要があります。矯正をする子供と両親はわからないことや希望があれば、歯科医師にしっかり説明してもらい、理解して十分納得して同意をして、治療をするようにしましょう。
【 監修 】
田中和之
九段下スターデンタルクリニック院長
確かな技術・痛くない・待たせない・丁寧な説明“をポリシーに診療を行う九段下スターデンタルクリニックの院長。医療法人社団スタデン理事長も務める。
審美歯科歴17年以上の経験を有し、審美歯科の症例数は5000症例を超えている。