矯正治療と聞くと非常にお金がかかるのでは?と思う方は多いはず。しかし、ある条件をクリアしていれば、保険治療での矯正治療が可能になることをご存知でしょうか?今回は、保険治療が適用できる矯正治療について説明します。

保険が適応できる矯正治療

歯並びが悪いことは、いわゆる「病気」ではありません。そのため、保険の適応にならない場合が多く、自費治療となります。しかし、顎の骨に異常が認められる場合や、歯の本数が生まれつき異常に少ない場合など、ある条件が整った場合には保険治療の適応となる場合があります。

顎変形症

顎変形症とは、顎の骨の形や大きさの異常や位置バランスの崩れ、成長のバランスの異常、不調和でおこります。顎の骨のバランスが崩れている為、噛み合わせが悪く、上手に噛めない、会話がしづらいなどの問題が生じます。

 

・上顎前突症:顎の骨が前に出ている状態。いわゆる出っ歯。

・下顎前突症:下顎が前に出ている状態。いわゆるしゃくれた状態。アントニオ猪木さんのような顔。

・上下顎前突症:上下顎が前に出ている状態。お猿さんのような顔。

・下顎後退症:下顎が後退した状態。そのため、見た目は出っ歯に見える。

・開口症:歯を噛み合わせた状態で、前歯に隙間が出来てしまう状態。

・非対称症:左右の顎の骨の大きさが違う状態。

などがあります。

顎口腔機能診断施設

顎変形症が保険の適応の治療を受けるには、顎口腔機能診断施設の認可を受けた施設、診療所でなければいけません。顎口腔機能診断施設とは、厚生労働省が認可した、大学病院などの専門的な医療機関で5年以上の矯正治療経験がある歯科医師などが常勤しており、施設に顎の運動の測定機械や機材が常備されている施設の事です。

術前矯正

手術で顎を切ったりした後に噛み合わせが安定するように装置を歯に付けて歯を並べます。そのため、術前矯正では、むしろ噛み合わせが悪くなってしまうこともあります。期間は、1年~2年ほどかかります。

手術方法

それぞれの症状に合わせて顎の骨を切って手術をします。

・Le FortⅠ型骨切り術

・下顎枝矢状分割骨切り術

・下顎枝垂直骨切り術

などいくつかの術式があります。

基本的に口の中で骨を切る手術ですので、表面に傷跡は残りません。分割した骨はチタン製のプレートで固定します。そして、上下の歯並びがよりおかしくならないように、ワイヤーで上下の歯を固定します(顎間固定)

術後の管理

手術後10日~2週間程度は入院しなければいけません。ワイヤーはその間固定したままなので、食事は鼻からチューブで摂取したりします。ワイヤーが取れたら、硬いものはいきなり食べず、徐々に柔らかいものから食べるようにします。

術後矯正

最終的な歯並びにするために、外科手術後に術後矯正をする必要がある場合があります。(ほとんどの症例で必要だと思います。)術後矯正で歯並びが決まり、矯正治療が終了となれば、ワイヤーやマウスピースなどで歯並びが後戻りしないようにします。(保定)

金額

30万~40万円ほどかかります。但し、ベッド代や食事代などは保険治療の範囲外となる場合があります。

子供で保険が適応される矯正

厚生労働省が定めた病気や顎変形症などの場合、子供でも保険治療で矯正治療ができます。また、歯の本数が埋まれつき3本以上歯が無い場合では、保険治療での矯正治療が可能となります。

育成医療(自立支援医療)

ダウン症や筋ジストロフィーなどのような厚生労働省が定める病気が原因で生じた噛み合わせの異常では、保険治療での矯正治療が適応となります。

お金がないの矯正

お金がない場合の矯正治療では、デンタルローンを使用すると良いでしょう。デンタルローンは他のローンとは違い、目的がしっかりしている為、審査が通りやすいのと金額が金利・利息が比較的低く設定されています。

また、矯正治療は高額治療であるため、加入している保険組合からいくらかの負担金が戻ってくる場合もあります。(高額医療費)

同様に医療費控除の対象になるので、確定申告時に申請すると世帯の収入に応じて負担金が戻ってきます。

矯正治療をやらなければよかった場合

顎変形症やその他の病気での矯正治療を行った場合で、矯正治療をやらなければよかったということは、なかなかないと思います。但し、顎変形症などで外科処置をした場合で、術後に稀に起こりうることとして、

・術後の唇・顎などの麻痺:骨切りの手術をした後、神経を圧迫したり、損傷した場合に生じる麻痺です。回復する場合もありますが、損傷した場合なかなか回復しません。

・後戻り:術後歯並びが元の状態に戻ってしまうことがあります。

・術後感染:なんらかの影響で術後感染してしまうことがあります。

などが挙げられこのようなことが起これば、矯正治療をしなければよかったと思うことでしょう。しかし、ほとんどの場合で矯正治療をしたほうがよかったという方です。

矯正治療の選び方

外科的矯正はかなり熟練された技術と知識が必要となります。さらに、手術を多くしたという経験も必要になります。ほとんどの場合、外科手術は外科の専門医と矯正専門医との連携になります。この連携がしっかりできている医療機関を選択することが大変重要になります。

まとめ

矯正治療が保険適応になっても高額治療であることには間違いありません。そのため、術後長い間しっかり噛めて、笑顔が素敵であるために、担当する矯正専門医と十分に相談して、治療計画をしっかり立ててもらって、且つ自分で十分理解をして、同意の上で治療することが大切です。どんな些細な悩みでも担当の矯正専門医と相談し、悩みを解消できるようにしましょう。

 

 

 

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