
歯を白くきれいな状態にしたいと思っているなら、ホワイトニングを受けることをおすすめします。
ひと昔前までは、ホワイトニングは芸能人やお金持ちの一部がしているイメージがありましたが、最近ではだんだんと一般的になってきました。
しかし、ホワイトニングと聞いても「歯が白くなる」以外にはなかなかイメージが湧きにくいもの。
ホワイトニングとは、どのような処置なのでしょうか。
そこでこの記事では、ホワイトニングの歴史や種類、特徴、注意点など分かりやすく解説します。
ホワイトニングとは
歯は、年とともに少しずつ黄ばんできます。
ですが、歯は白い方がきれいですから、なんとかして歯を白くしたいということで登場したのが、ホワイトニングです。
ホワイトニングは、歯の着色汚れを取り除いてきれいにするのではありません。
専用の薬剤の働きで、歯を漂白することで、歯を白くきれいな状態にします。
歯を削ったり、歯に被せたりせずに、歯を白くできるわけですね。
ホワイトニングの歴史
ホワイトニングには大変長い歴史があり、古代ローマ時代にまでさかのぼることが出来ます。
当時は人の尿を使って、歯を白くしていました。薬剤を使って歯を白くしようとしたのは、100年ほど前からです。
初めは、硝酸や次亜塩素酸カルシウム、塩酸などが用いられていました。電流や紫外線を使っていた時代もあります。
現在主流になっているホワイトニング用の薬剤は、過酸化尿素と過酸化水素ですが、ここに至るまでの間、いろいろな薬剤が試行錯誤で用いられてきたわけですね。
現在、過酸化尿素を使って歯を白くしているところを考えると、古代ローマ人が尿を使って歯を白くしようとしていたのは、意外と正鵠を得ていたのかもしれませんね。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングは、全部で3種類の方法あります。
- ホームホワイトニング
- オフィスホワイトニング
- デュアルホワイトニング
それぞれをご紹介します。
自宅で行うホームホワイトニング
ホームホワイトニングとは、自宅でご自身で行なうホワイトニングです。
最初に、歯科医院でご自身の歯に合ったマウスピースを作ります。
そのマウスピースに、ホワイトニングの薬剤を入れて歯に数時間装着します。
これを毎日行なうことで、歯を白くしていく方法です。
ホームホワイトニングのメリット
後戻りを起こしにくい
ホームホワイトニングで歯を白くした場合、色の後戻りが起こりにくいといわれています。
つまり、歯を白くした効果が長持ちするという利点があるわけです。
手軽にできる
ホームホワイトニングでは、マウスピースを作った時と初回のチェック以外に、歯科医院に通う必要がほとんどありません。
仕事や学校で忙しい方でも、自分のペースで、好きな時間に手軽にできるというメリットがあります。
自然な白さ
ホームホワイトニングでは、歯の内側から歯を白くしていきます。
そのため、ホームホワイトニングのほうが、より自然な白さ、より自然なツヤのある歯になります。
ホームホワイトニングのデメリット
すぐに効果が現れない
ホームホワイトニングの場合、毎日続けて4週間前後経ってから、ようやく歯の白さを実感できるようになります。
すぐにホワイトニングの効果が現れないというデメリットがあります
色ムラが生じることもある
マウスピースの内側に、適切に薬剤を入れなければ、歯が均一に白くならず、白さにムラが生じることがあります。
歯ぐきが痛くなることもある
マウスピースに薬剤を入れすぎると、マウスピースから溢れ出してしまいます。
すると、溢れ出た薬剤が歯ぐきについてしまうのですが、そうなると歯ぐきが炎症をおこしてしまうので、痛くなってくることがあります。
関連記事:ホワイトニングは自宅でしよう。ホームホワイトニングのすすめ
歯科医院で受けるオフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師によって行なわれるホワイトニングです。
歯に薬剤をつけて、専用の光照射器を使って、特殊な光を当てることで歯を白くします。
一回当たり1時間程度の時間がかかり、1週間に1回くらいのペースで定期的に行ないます。
オフィスホワイトニングのメリット
効果が速い
オフィスホワイトニングは、ホームホワイトニングより早く歯が白くなる効果が実感できます。
たとえば、結婚式が迫っている方など、急いで歯を白くしたいと考えている方に適した方法といえます。
安全性が高い
歯ぐきや唇などに薬剤が触れないように、予防処置を行なった上でホワイトニングを行ないますので、安全性が高いです。
均一な白さになる
オフィスホワイトニングでは、知識と技術のある歯科医師が行ないますから、色ムラが生じにくく、均一な白さに仕上がります。
オフィスホワイトニングのデメリット
歯科医院に通わなくては行けない
オフィスホワイトニングは、1週間に1回くらいのペースで定期的に行ないます。
仕事や学校が忙しくて、定期的な受診をしにくい方には、難しい方法かもしれません。
後戻りを起こしやすい
ホームホワイトニングと比べると、ホワイトニングをした後に、色の後戻りを起こしやすい傾向があります。
費用が高い
ホームホワイトニングと比べると、費用が高くなる傾向が見られます。
関連記事:施術前に知って安心!オフィスホワイトニングのデメリットとは
自宅と歯科医院で行うデュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方を同時に行なうホワイトニングです。
つまり、自宅でマウスピースを使ってホワイトニングを行ない、歯科医院にも通ってホワイトニングを受けるという方法です。
デュアルホワイトニングのメリット
2種類のホワイトニングいいとこ取り
後戻りを起こしにくいというホームホワイトニングの長所と、効果が速いというオフィスホワイトニングの長所が、両方とも同時に得られます。
デュアルホワイトニングのデメリット
費用が高い
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方をするわけですから、どうしても費用が高くなってしまいます。
ホワイトニングの効果
歯を白くするために受けるホワイトニングですが、ホワイトニングを受けると、実際どのような効果が得られるのでしょうか。
透明感のある白さ
歯の大部分は象牙質でできています。そして、その表面を骨よりも硬いエナメル質で覆って守っています。
実は、エナメル質は透明に近い色具合になっています。
歯の黄ばみの原因に、この透明であるべきエナメル質への色の染み付きがあります。
ホワイトニングをすれば、このエナメル質についた色素成分を分解して、エナメル質本来の透明な色に戻しますので、自然な透明感のある白さが得られます。
明るい白さ
同じ白さでも、くすんだ白さもあれば、明るい白さもあります。もちろん喜ばれるのは、明るいきれいな白さです。
ホワイトニングには、明るいきれいな白い歯にする効果があります。
ホワイトニング後の注意点
ホワイトニングを受けた直後は、歯に色移りが生じやすい傾向があります。
そのためホワイトニングを受けた後、しばらくの間は、ワインや紅茶、コーヒー、緑茶、カレーライス、キムチなどの色の濃い飲食物は避けるように気をつけなければなりません。
関連記事:ホワイトニング中の飲み物はどうしたらいいの?正しいケアを教えます!
ホワイトニングができない場合
ホワイトニングは、安全性が高い処置ですが、あらゆる方や歯にできる処置ではありません。
ホワイトニングができない方
妊娠中や授乳中の方
過酸化尿素や過酸化水素は、もともと体内で生成と分解を繰り返している物質です。
しかも歯に作用させるだけなので、体内に直接摂取するわけではないのですが、妊娠中や授乳中の方は大事をとってホワイトニングを控えて下さい。
出産・授乳がすめば、ホワイトニングは可能です。
むし歯や歯周病の方
むし歯や歯周病を起こしている方は、まずそれらの治療が優先されます。
無カタラーゼ症の方
カタラーゼは、過酸化水素を分解する働きのある酵素です。
無カタラーゼ症の方は、そのカタラーゼを持っていないので、ホワイトニングに用いられる過酸化水素を分解できません。
ですから、ホワイトニングを受けることが出来ないのです。
アレルギーのある方
ホワイトニングの薬剤にアレルギーのある方は、アナフィラキシーショックという重篤なアレルギー反応を引き起こす可能性があるので、ホワイトニングはできません。
ホワイトニングができない歯
亀裂が入っている歯
歯の表面に亀裂が入っている歯の場合、歯が破折してしまう可能性があります。
変色具合が激しい歯
たとえば、テトラサイクリンという抗菌薬の副作用で歯が変色している場合があります。
これをテトラサイクリン変色歯といいますが、この歯は、ホワイトニングをしてもそれほど白くならないことが多いです。
同じように、エナメル質形成不全症や象牙質形成不全症も、ホワイトニングの効果が期待できなません。
このようにホワイトニングの効果が期待できないような歯の変色には、ホワイトニングは行なわれません。
被せものをしている歯
被せものにはホワイトニングの効果はありません。
もし、被せもの以外の歯にホワイトニングをした場合に、被せものとの色の差が認められた場合には、被せものを新しい物に取り替えることで対応します。
関連記事:ホワイトニングができない人の理由と歯の症状について調べてみた
まとめ
今回は、ホワイトニングを紹介しました。
ホワイトニングは、歯の着色汚れを取り除くのではなく、歯を漂白して白くする処置です。
基本的には安全性の高い処置なのですが、中にはホワイトニングが受けられない方や、適さない歯があります。
ですから、まずはホワイトニングを受けることが出来るのかどうかから、確認することが大切です。
そして、もし受けることが出来るのなら、紹介した3種類の方法からご自身に適したものを選んで、きれいな白い歯にしましょう。