
ホワイトニングに限らず、医療を受ける場合は、歯科医師と患者さんとの間に信頼関係を築くことが大切です。
近年は、ホワイトニングを受ける側の意識の向上によって、十分納得してから治療に取り掛かりたいと考える方が増えてきました。
こうした方では信頼関係を築く上で十分な説明が必要となりますが、もし5人の歯科医師がいれば、5通りの治療法があると言ってもおかしくなく、そうした現状を背景にセカンドオピニオンが希望されるようになりました。
病気の治療のセカンドオピニオンと同様に、ホワイトニングもセカンドオピニオンを受けられるのでしょうか。
今回は、ホワイトニングのセカンドオピニオンの解説をします。
Contents
セカンドオピニオンにかかる費用
セカンドオピニオンを受けようと思った場合、気になるのがその費用です。
セカンドオピニオンには、いくらくらいのお金が必要なのでしょうか。
ホワイトニングの場合
ホワイトニングの件でセカンドオピニオンを受ける場合、原則的に自費診療となります。
自費診療ですので、保険診療と異なり、必要な費用はそれぞれの歯科医院で独自に定めています。
セカンドオピニオンを受けるためにどれくらい費用が必要なのかは、セカンドオピニオンを希望した歯科クリニックで相談してください。
保険診療の場合
保険診療でもセカンドオピニオンを受けることはできます。
保険診療では、全国どこの歯科クリニックでも同じ料金で受けられるようになっています。
料金は、診療報酬として、1点10円で表される点数制で定められています。
現在、セカンドオピニオンの診療報酬は500点です。
したがって、自己負担の割合が3割の方の場合は、歯科医院の窓口で支払う額は1500円となります。
保険診療の診療報酬は2年おきに大きく改定されますので、注意が必要です。
保険診療でも受けられるの?
保険診療でセカンドオピニオンを受けられるのは、原則的に保険診療の適応となる病気だけとされています。
ですから、「思ったほどに白くならないけれど、ホワイトニングの方法に間違いはないのか」などのホワイトニングそのものに関するセカンドオピニオンは、前述したように自費診療となりますので、保険診療では受けられません。
しかし、ホワイトニングを受けたことによって生じた知覚過敏などの副作用のセカンドオピニオンなら、保険診療でも受けられます。
セカンドオピニオンはどこで受けられる?
セカンドオピニオンを受けようと思った時、どこを受診すればいいのでしょうか。
セカンドオピニオンを受けられる医療機関は?
基本的にどの医療機関でもセカンドオピニオンを受けることはできます。
ですから、病院の歯科外来や口腔外科外来でもいいですし、もちろん歯科クリニックでも大丈夫です。
ですが、セカンドオピニオンを行なっている旨を標榜している医療機関がいいでしょう。
そのような医療機関が見つかったら、予約を兼ねて電話を入れて確認をするといいでしょう。
セカンドオピニオンの受け方
セカンドオピニオンはどうやって受けるのでしょうか。
セカンドオピニオンの受け方を、紹介状がある場合とない場合で解説します。
どちらの場合であっても、あらかじめセカンドオピニオンを受けたいと思う医療機関に受診前にその旨を連絡し、予約を取っておくことをお勧めします。
紹介状がある場合
主治医の歯科医師からの診療情報提供書、いわゆる紹介状がある場合は、資料を貸し出してもらうといいでしょう。
主治医から貸し出してもらう資料としては、レントゲン写真や口腔内写真、歯の模型などが挙げられます。
資料はなくてもセカンドオピニオンは受けられますが、あったほうが診断を下しやすく、有効かセカンドオピニオンの一助となります。
なお、セカンドオピニオンが終わった後には、借り受けた資料は全て返却なされます。
紹介状がない場合
中には、主治医の歯科医師にセカンドオピニオンを受けることを伝えにくい方もいらっしゃることでしょう。
そんな方でも、主治医からの紹介状がなくても、セカンドオピニオンは受けられます。
ですが、やはり資料があったほうが、よりよいセカンドオピニオンを受けやすいので、できれば紹介状を受けることをおすすめします。
セカンドオピニオンを受けた後はどうすべき?
ホワイトニングの件でセカンドオピニオンを受けたのち、私たちはどうすればいいのでしょうか。
納得できた場合
セカンドオピニオンの結果、ホワイト二ングに納得できた場合は、元の歯科クリニックに戻って、ホワイトニングを引き続き受けていただくことになります。
納得できなかった場合
ホワイトニングのセカンドオピニオンの結果、今後のホワイトニングに納得できなかった場合は、ホワイトニングを中止する。もしくは違う歯科クリニックへ転院し、そこで再度ホワイト二ングをするかどうかを検討しることになります。
どちらを選択するのかは、もちろん患者さんの自由意思によります。
セカンドオピニオンを受けた歯科クリニックがどちらかを強要することは決してありません。
ここで注意しておかなければならないのは、セカンドオピニオンを受けた歯科クリニックでホワイトニングを受けるのは、セカンドオピニオンの趣旨から反するため、そこでは受けられないということです。
セカンドオピニオンを受けられない場合
ホワイトニングの件で、セカンドオピニオンを受けようと思っても、受けられない場合もあります。
第三者からの相談の場合
セカンドオピニオンを受けられるのは、患者さんご本人、もしくはその家族です。
それ以外の方がご本人に代わってセカンドオピニオンを受けることは、原則的にできません。
転院を前提とする場合
セカンドオピニオンは、あくまでも現在の診断や治療(今回の場合はホワイトニング)に関する歯科医師としての立場から専門的な意見や判断を提供する行為です。
その目的は、患者さんが今後受けるであろう治療の参考としてもらうことで、治療を行うことではありません。
セカンドオピニオンを受けた医療機関への転院前提ということであれば、転院先でこれからのホワイトニングを受けるということなので、転院を前提としたセカンドオピニオンは、セカンドオピニオンのコンセプトから外れてしまいます。
ですから、転院前提ではセカンドオピニオンを受けることはできないのです。
ホワイトニングが終わっている場合
セカンドオピニオンの目的は、あくまでも患者さんが今後受ける治療の参考とすることです。
したがって、すでにホワイトニングが終了した場合は、セカンドオピニオンの対象とはなり得ないのです。
セカンドオピニオンを受けられるのは、現在進行中である方、もしくはこれからホワイトニングを受けようと考えている方に限られます。
まとめ
今回は、ホワイトニングのセカンドオピニオンを解説しました。
セカンドオピニオンは、今では患者さんの権利としてしっかりと確立されています。
ですから、セカンドオピニオンを受けることには問題ありません。
もし、ホワイトニングの件で、不安に思うことがあった場合などは、セカンドオピニオンを受けてみるといいでしょう。