
結論から言うと、セルフホワイトニングでは、歯自体の色を白くする事は出来ません。
セルフホワイトニングは、歯の表面の汚れを落とし、歯を本来の白さに戻すものです。
歯科医院で行うホワイトニングとは全く異なるものなので、混同しないようにしましょう。
セルフホワイトニングを希望する場合には、特徴と注意点をよく理解した上で、利用する事が大切です。
今回は、セルフホワイトニングとはどのような方法なのか、特徴や注意点を詳しく解説します。
Contents
セルフホワイトニングとは
セルフホワイトニングは、店舗に出向き、自分自身で歯にホワイトニング剤を塗布して、歯を白くする方法です。
「セルフ」という名前のとおり、施術は全て自分自身で行います。
日本では法律により、歯科医師・医師・歯科衛生士以外の人は、お客さん(患者さん)の口の中の施術を行ってはならないと決められています。
「セルフホワイトニング」はその抜け道とも言える方法で、お客さん自身に施術をしてもらう事で、サロンやエステのような医療機関でない店舗でも歯の施術が行えるようにしたものです。
脱毛などを行う美容サロンでセルフホワイトニングを取り扱っている場合もありますし、セルフホワイトニングだけを行なっている専門店もあります。
セルフホワイトニングで使われる薬剤
セルフホワイトニング店は、医療機関ではないので、歯科医院で使用している「過酸化水素」は取り扱う事が出来ません、
セルフホワイトニングでは、「酸化チタン」「ポリリン酸」「メタリン酸」「炭酸水素ナトリウム(重曹)」など、一般の人が取り扱っても良い薬剤を使用しています。
これらの薬剤は、歯磨き粉などにも含まれている安全性が高いもので、歯の表面の汚れを浮かせて落とす作用などがあります。
セルフホワイトニングの施術手順
セルフホワイトニングの施術は、基本的に全て自分で行います。
スタッフから説明を受けた後、次のような手順に沿って全て自分で行います。
- 歯を磨く
- 開口器を取り付ける
- 鏡を見ながらホワイトニング剤を歯に塗布する
- 歯にライトを照射する
- 開口器を外す
- 仕上げの歯磨きをする
店舗によって手順が多少異なり、「ホワイトニング剤の塗布」と「ライト照射」を数回繰り返す場合や、ライト照射のみをスタッフが行う場合があります。
セルフホワイトニングのライト照射の役割
ホワイトニング剤を塗布した後のライト照射には、薬剤の効果を高める役割があります。
ライトを当てる事で、ホワイトニング剤が化学反応を起こして、汚れを落とす効果が上がると言われています。
使用されるライトは主にLEDライトで、歯科医院のホワイトニングでも使用されるものです。
ただし、セルフホワイトニングの場合が、薬剤に歯を漂白する効果はありませんので、LEDライトを使用しても効果の程度には限度があります。
セルフホワイトニングで得られる効果とメリット
セルフホワイトニングは、「歯を本来の白さに戻す」ことを目的としたものです。
「ホワイトニング」という名前がついていますが、歯自体が白くなるわけではありません。歯の表面の汚れを落とし、歯を本来の白さに戻すものです。
ですから、元々の歯の白さ以上に白くする事はできません。
気になっている歯の黄ばみが、歯の表面の着色汚れによるものであれば、セルフホワイトニングでも満足できる仕上がりとなるでしょう。
セルフホワイトニングの効果の感じ方には個人差があります。1回で効果を感じる場合もあれば、数回の施術が必要な場合もあります。
セルフホワイトニングのメリット
セルフホワイトニングには、次の4つのメリットがあります。
- 低価格
- 施術時の痛みが少ない
- 口腔内の抗菌、消臭作用
- リラックスして施術できる
低価格
セルフホワイトニングは、歯科医院のホワイトニングと比較すると非常に安価です。1回あたり3,000円〜5,000円が相場です。
歯科医院のホワイトニングの場合は、種類によりますが、1回あたり1万5000円〜3万円程度が相場になります。
比較すると、セルフホワイトニングは非常に安価だという事がわかります。
施術時の痛みが少ない
セルフホワイトニングは、素人でも取り扱う事ができる安全な薬剤を使用しています。
薬剤による刺激がほとんど無く、施術時の痛みがほとんどありません。強い効果はありませんが、痛みも少ないのが特徴です。
普段から知覚過敏などの症状がある方など、痛みが気になる方でも安心です。
口腔内の抗菌、消臭作用
セルフホワイトニングは、汚れを浮き上がらせて取り除くだけでなく、薬剤による抗菌・殺菌機能や、消臭作用が期待できます。
リラックスして施術する事ができる
セルフホワイトニング店は、医療機関ではなくサロンやエステのような所です。
「歯科医院の雰囲気が苦手」「歯科治療に恐怖心が強い」という方でも、通いやすく、リラックスして施術する事ができます。
セルフホワイトニングの注意点
セルフホワイトニングを行う前に、いくつか知っておくべき注意点があります。
セルフホワイトニングを希望する場合には、次の注意点を十分に理解し、納得した上で、施術を行うようにしましょう。
施術を自分で行う手間がある
店舗に出向いてまで自分で施術を行わなくてはならないので、手間がかかります。
あくまで「歯の表面の汚れを落とす施術」であり「歯自体の色を白くする施術」ではありません。
時間と手間がかかる割に白くならないと感じるかもしれません。
トラブルが起きても自己責任になる
セルフホワイトニングは、全ての施術を自分自身で行うため、施術に関係するトラブルが起きても、自己責任になります。
安全性が高い薬剤を使用するので、薬剤による問題は起こりにくいですが、口の中に傷がある場合や、虫歯などの問題を抱えている場合には、痛みが出るなどの可能性がありますので注意が必要です。
セルフホワイトニング店には、歯科医師が居ませんので、お口の中にトラブルが起きても対応できません。
また施術前にお口の中をチェックしてもらう事もできません。
利用する店をきちんと選ぶ事が必要
セルフホワイトニング店は、医療機関とは違い、専門家でなくても簡単に開業する事ができます。
開業資金も少なくて済むため、流行にのって始めた業者も多いのが現状です。
信頼できる店かどうか、自分でしっかりと見極めるようにしなければなりません。
例えば、歯科医院で使用しているような漂白効果のある薬剤を使用している場合には、違法店ですので注意しましょう。
セルフホワイトニング店は、医療機関ではないので、その実態は把握しきれていません。
高額なコースを勧めてくる悪徳サロンが無いとは言い切れませんので、利用する際には、インターネットでしっかり下調べをするなどしてから、利用店舗を選ぶ事をおすすめします。
まとめ
セルフホワイトニングは、歯自体の色を白くする施術ではありません。歯を本来の白さに戻すものですから、元々の歯の色より白くする事はできません。
歯科医院で行うホワイトニングとは、根本的に違うものですので、混同しないようにしましょう。
歯を元々の色よりも白くしたい場合には、歯科医院でホワイトニングの施術を受ける事をおすすめします。
歯を漂白する効果のある「過酸化水素」は医療機関でなければ取り扱う事ができません。
また、セルフホワイトニングは、自分自身で施術を行わなければなりません。
施術中や施術後にトラブルが起きても自己責任になりますので、注意しましょう。