ホワイトニングに使われる過酸化水素はどんな薬剤?安全性は問題無いの?

歯科医院で行うホワイトニングでは、「過酸化水素」を主成分とした薬剤が使用されます。

そこで気になるのが、「過酸化水素」とはどんな薬剤なのか?安全性は問題ないのか?という点ではないでしょうか。

ホワイトニングで使用される過酸化水素について、十分に理解しておく事で、安心してホワイトニングをする事ができます。

今回は、過酸化水素はどのような薬剤なのか安全性は問題ないのかどのようなメカニズムで歯を白くするのか、様々な角度から過酸化水素について詳しく解説します。

過酸化水素とは

過酸化水素は、消毒剤や漂白剤・食品添加物など、身近なものに含まれている成分です。濃度によって様々な用途で使用されます。

例えば、お口の中の消毒にも使われる「消毒用オキシドール」は、過酸化水素の3%水溶液です。

過酸化水素の安全性

過酸化水素は、ホワイトニング材として、厚生労働省で認可されています。適切に使用すれば安全な成分です。

どんな薬剤にも言える事ですが、使用用途以外の方法で使うのは危険ですので、使用方法を守る事が大切です。

ホワイトニングで使用される過酸化水素

歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、過酸化水素濃度35%以下の薬剤が使用されます。

歯を傷めるのではないか?と心配する方もいますが、歯の表面を溶かしたり、傷つけたりする事はありません。

エナメル質内部の色素に反応して、ホワイトニング効果が出るのです。

ホワイトニング薬剤は、歯に作用させるのには問題ありませんが、唇や歯ぐきなど粘膜に付着すると、付着部位に火傷や炎症を引き起こす事があります。

歯科医院では、そのような問題が起きないよう、きちんと訓練された歯科医師・歯科衛生士が、適切に処置を行いますので、安心して施術を受ける事ができます。

ホームホワイトニングで使用される過酸化尿素

自宅でマウスピースを装着して歯を白くするホームホワイトニングでは、一般的に「過酸化尿素」を主成分とした薬剤(ジェル)を使用します。

過酸化尿素は、酸化反応の過程で過酸化水素と尿素に分かれますので、過酸化尿素のホワイトニング効果は、過酸化水素と同じです。

オフィスホワイトニングで使用する過酸化水素よりも濃度が低く、家庭で安全に使用できるものとなっています。

歯に対する刺激が少ないので、自宅でも安心して使用する事ができますが、ホワイトニング効果のあらわれ方はゆっくりです。

過酸化水素で歯が白くなるメカニズム

過酸化水素には、エナメル質の色素を無色透明化する作用があります。

オフィスホワイトニングでは、そこにライトを照射して、効果を高めます。加えて、過酸化水素のエナメル質のマスキング効果により、エナメル質を白く見せています。

過酸化水素にライトを照射をする効果とは

オフィスホワイトニングでは、歯面に過酸化水素の薬剤を塗布した後、光を照射する事で、薬剤の分解を促進させ、効果を高めます。

ホワイトニングに使われるライトには、いくつかの種類があります。

使用するライトによって光の種類・波長・強さが異なり、効果の現れ方にも違いがありますので、施術前に歯科医院に確認をしておきましょう。

エナメル質のマスキング効果とは

実は、エナメル質の色素を無色透明化するだけでは、歯は白くなりません。歯の色は、エナメル質の下の象牙質の影響も受けているためです。

象牙質はもともと黄色っぽい色をしており、それが透けて見えると、歯が黄ばんで見えるのです。

過酸化水素には、エナメル質の表面にマスキングをかける効果があります。

エナメル質表面は、大きく拡大すると小柱が束になった構造をしています。この小柱の構造を角状から球状に変化させるのがマスキング効果です。

小柱表面が球状の構造になる事により、光が乱反射し、象牙質の色が透けて見えないようになるのです。

ホワイトニングで起こりやすい歯のトラブルと対策

過酸化水素は、適切に使用すれば安全な薬剤ですが、身体に刺激がある薬剤でもあります。

ホワイトニングの施術中や施術後に起こる可能性があるトラブルをあげ、その対策を解説します。

痛みや知覚過敏

過酸化水素による刺激が、歯の神経に伝わると、痛みや知覚過敏を引き起こす事があります。

歯に欠けやひび割れ・虫歯があると、神経に刺激が伝わりやすく、痛みや知覚過敏が起きやすくなります。

また、もともと知覚過敏がある場合には、痛みが出ることがあります。

痛み・知覚過敏の対策

歯に欠けやひび割れ・虫歯がある場合、知覚過敏がある場合には、治療をしてからホワイトニングするのが望ましいです。

すぐにホワイトニングをしたい場合には、問題がある部分を保護剤で覆い、薬剤が付かないようにして、ホワイトニングを行う事もできます。

ただし、それではまだ痛みや知覚過敏が起こる可能性がありますので、歯科医師と相談の上、慎重に行うようにしましょう。

痛みが出る可能性が高い場合には、施術後、しみ止め薬の塗布、痛み止めの処方を行います。

変色や色ムラ

ホワイトニング後、ホワイトスポットと言われる白い斑点や、色ムラができる事があります。

これは、もともと歯の表面にあった斑点や色ムラが、ホワイトニングによって、目立つようになったものです。

変色・色ムラの対策

変色や色ムラは、時間の経過と共に、次第に歯に馴染んで目立たなくなります。

どうしても気になる場合には、さらにホワイトニングを続けて、歯全体の色のトーンをあげる方法や、人工物で修復をする方法があります。

しかし、ほとんどのケースで馴染んでくるので、慌てて対処をしない方が良いでしょう。

ホワイトニングの前には、歯科医師がお口の中のチェックを行いますので、変色や色ムラが起こりやすい箇所を事前に判断できる事があります。

予め、変色・色ムラを予測しておく事で、冷静に対処をする事ができますので、気になる場合には歯科医師に相談しておくと良いでしょう。

関連記事:ホワイトニングで歯の表面がまだらに?色むらになる原因と解決策を紹介

個人輸入できるホワイトニング剤に注意!

個人で輸入できるホワイトニング剤には注意が必要です。

過酸化水素や過酸化尿素が配合されたホワイトニング薬剤は、薬機法で定められており、医療機関でしか取り扱う事ができません。

しかし、インターネットなどを通じて簡単に個人輸入をすることができるのが現状です。

歯科医院よりも安く、また安易に購入できる事から、何も考えずに購入して使用するケースが見られますが、大変危険なのでおすすめできません。

個人輸入のホワイトニング剤の危険性

過酸化水素や過酸化尿素が配合されたホワイトニング剤は、適切に使用しなければ、歯や歯ぐき・粘膜にトラブルが起きる原因になります。

きちんと歯科医院でお口の診察を受けてから、適切な濃度のホワイトニング剤を、適切に使用するべきです。

いくら歯が白くなっても、歯や歯ぐきを傷めて、健康を害してしまっては意味がありません。

また、日本人は欧米人に比べて、歯のエナメル質が薄い事がわかっています。

欧米人向けのホワイトニング製品は、日本人の歯には合っていない事がありますので、自己判断で使用するのはおすすめできません。

まとめ

過酸化水素は、歯のホワイトニング効果がある薬剤です。

濃度によって消毒剤や漂白剤・食品添加物などにも含まれる身近な薬剤ですが、安全に使用するためには、用途に応じた適切な方法で使用する事が大切です。

過酸化水素や過酸化尿素が配合されたホワイトニング剤は、日本では医療機関でしか取り扱うことができません。

個人輸入で購入する事もできますが、歯や歯ぐきを傷め健康を害してしまう危険がありますので、おすすめできません。

過酸化水素を使ったホワイトニングを希望する場合には、まずは歯科医院に相談するようにしましょう。

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