
「ホワイトニングをするからには、できるだけ早く歯を白くしたい!」そう思う方も多いでしょう。
歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、即効性のあるホワイトニング方法です。個人差はありますが、1回の施術で白さを実感する事ができます。
では、ホワイトニングの種類によって、効果のあらわれ方は違うのでしょうか?
今回は、オフィスホワイトニングとそれ以外のホワイトニング方法とを比べ、効果のあらわれ方の違いについて解説します。
Contents
オフィスホワイトニングとホームホワイトニング
ホワイトニングには、2種類の方法があります。
歯科医院で施術を受ける「オフィスホワイトニング」と、自宅でマウスピースを装着して歯を白くする「ホームホワイトニング」です。この2つのホワイトニング方法は、効果のあらわれ方が異なります。
オフィスホワイトニングは、1回の施術で白さを実感できるのに対し、ホームホワイトニングは、効果があらわれるまでに平均して2週間程度かかります。
ホームホワイトニングとの効果のあらわれ方の違い
オフィスホワイトニングは、薬剤に「過酸化水素」が使われますが、ホームホワイトニングでは一般的に「過酸化尿素」が使われます。
過酸化尿素は、分解されて過酸化水素になるため、歯を白くするメカニズム自体はどちらも変わりません。
ただ、薬剤が分解されるのに時間がかかるため、ホームホワイトニングの方が、効果があらわれるのに時間がかかるのです。
ホワイトニングシステムによる効果の違い
オフィスホワイトニングには、薬剤や照射ライトが異なる、様々なホワイトニングシステムがあります。
システムによって、効果のあらわれ方に差があり、料金も異なります。オフィスホワイトニングの料金の相場は、1回1万円〜7万円程度です。
料金に開きがあるのは、ホワイトニングシステムによって料金が異なるためです。
歯科医院によって使用しているホワイトニングシステムが異なりますので、事前に確認するようにしましょう。
代表的なホワイトニングシステムを例に、1回の施術の料金相場と効果のあらわれ方をまとめると次のようになります。
料金相場 | 効果のあらわれ方 | |
ブライトホワイト | 6万円〜7万円 | 8〜10段階 |
ズームホワイトニング | 3万円〜5万円 | 4〜6段階 |
ビヨンド | 1万円〜3万円 | 2〜3段階 |
ティオン | 2万円〜5万円 | 3段階程度 |
ピオーネ | 1万円〜2万円 | 1〜2段階 |
効果のあらわれ方は、白さがアップする程度を、色見本(シェードガイド)の段階であらわしたものです。
ホワイトニングシステムによって、1回の施術効果が異なる事がわかります。
オフィスホワイトニングは、1回で施術効果が高い施術方法ですが、使用するシステムによって効果のあらわれ方に大きな差があります。
その他のホワイトニング方法との効果の違い
「ホワイトニング」という名前がついている製品・施術で広く知られているものに、「ホワイトニング歯磨き粉」」「セルフホワイトニング」が挙げられます。
これらの特徴と、効果のあらわれ方について解説します。
ホワイトニング歯磨き粉
「ホワイトニング」と記載されている歯磨き粉が、数多く市販されています。
しかし、ホワイトニング歯磨き粉の多くは、「歯自体を白くする効果」はありません。歯の表面の汚れを落とし、歯を本来の白さに戻す製品になります。
ホワイトニング歯磨き粉には、主に3つのタイプがあります。
- ホワイトニング成分配合タイプ
- ポリリン酸タイプ
- 研磨剤タイプ
ホワイトニング成分配合タイプ
ホワイトニング成分配合タイプの歯磨き粉は、歯を白くする成分が含まれていますが、低濃度のため単独で利用しても「歯自体を白くする効果」はそれほど望めません。1回の使用で白くできるようなものではありません。
オフィスホワイトニングの施術後に、白い歯を維持するために利用するのがおすすめです。
ポリリン酸配合タイプ・研磨剤タイプ
これらは、歯に付着した汚れを除去するタイプのものです。歯自体を白くする効果はありません。
研磨剤タイプの歯磨粉の場合、むやみに使用すると、歯の表面を削って傷めてしまう可能性があるので注意が必要です。
セルフホワイトニング
セルフホワイトニングは、エステやサロンのような専門店に出向いて、自分で歯に施術を行うホワイトニング方法です。
低価格で手軽にできる事から、最近注目を集めています。
日本では法律で、歯科医師・歯科衛生士・医師以外が、患者さん(お客さん)のお口の中の施術を行うことを禁じています。
セルフホワイトニングは、その抜け道とも言える方法で、自分自身で施術を行うため、医療機関でないエステやサロンのような所でも、施術を可能にしています。
医療機関が使用する「過酸化水素」等、ホワイトニング効果がある薬剤は取り扱う事ができません。
「ホワイトニング」という言葉が使われているため、歯を白くする効果があると思われがちですが、歯質自体を白くする事はできません。
歯磨き粉にも配合される「ポリリン酸」「メタリン酸」「炭酸水素ナトリウム(重曹)」など、安全性が高い薬剤を使用して、歯の表面の汚れを落とし、“歯を本来の白さに戻します。
効果が出にくいケースとは
オフィスホワイトニングは、1回の施術で効果を実感する事ができる施術方法ですが、個人差があり、中には効果が出にくいケースもあります。
次のようなケースの場合には、ホワイトニング効果が出にくくなります。
- テトラサイクリン歯
- エナメル質形成不全歯
それぞれについて解説します。
テトラサイクリン歯とは
永久歯の形成時期である、出生直後から8歳頃までに、テトラサイクリン系抗生物質を服用した事で起こる生まれつきの歯の変色です。
黄色・オレンジ色・茶色などでグレーがかったような色味と、左右対称の縞模様が特徴です。
テトラサイクリン歯の場合、通常の歯と比べて、ホワイトニングの効果があらわれにくくなります。
重度のテトラサイクリン歯の場合は、ホワイトニングを行ってもほとんど効果がありませんが、軽度の場合には、多少の効果は望めます。
1回のオフィスホワイトニングでは、なかなか白くならない事が多いですが、数回施術を繰り返したり、ホームホワイトニングを行う事で、通常の歯の色に近づける事ができます。
エナメル質形成不全歯とは
エナメル質形成不全とは、エナメル質が作られる段階で、何らかの問題が生じ、正常にエナメル質が作られなかった状態です。
ホワイトニングを行う事ができますが、正常の歯のような効果が望めない事があります。
重度で、歯の黄ばみが強い場合には、ホワイトニングで色を改善する事は難しいでしょう。
そのような場合は、人工歯を補う方法での対応が必要です。
まとめ
1回のホワイトニングで白くしたい場合には、オフィスホワイトニングが効果的です。
1回の施術である程度の効果が望めます。
但し、使用するホワイトニングシステムによって、効果のあらわれかたに差がありますので、事前に確認してから施術を受ける事をおすすめします。
また、テトラサイクリン歯・エナメル質形成不全歯の場合は、通常の歯のように効果があらわれない事があります。
最後に、他のホワイトニング方法の効果のあらわれ方をまとめます。
【ホームホワイトニング】
2週間程度、マウスピースを装着してから効果があらわれてきます。
【ホワイトニング歯磨き粉】
ホワイトニング成分配合タイプの場合でも、オフィスホワイトニングのような効果は望めません。
ホワイトニング後のアフターケアとして使用するのがおすすめです。
ポリリン酸タイプ・研磨剤タイプは、ホワイトニング効果は望めません。
歯の表面の汚れを落とし、歯を本来の白さに戻すものになります。
【セルフホワイトニング】
「ポリリン酸」「メタリン酸」「炭酸水素ナトリウム(重曹)」など、安全性が高い薬剤を使用して、歯の表面の汚れを落とし、“歯を本来の白さに戻します。