
ホワイトニングで「歯を白くしたい」と考える方が増えてきました。
ですが、ホワイトニングの安全性を不安に思う方もいるかと思います。
薬剤に使われている成分や、どうして歯を白くすることができるのか、身体への影響は大丈夫なのか…
今回は薬剤の成分の安全性や歯科医院でのオフィスホワイトニング、ホームホワイトニングは安全なのかなど調べてみました。
これからホワイトニングを考えている方は是非参考にしてみて下さい。
Contents
ホワイトニングに使われている薬剤の成分
歯科医院で取り扱っているホワイトニングの薬剤の主成分は
- オフィスホワイトニング:過酸化水素
- ホームホワイトニング:過酸化尿素
となっています。
過酸化尿素は反応の過程で過酸化水素に変わっていくので、ホワイトニングの主成分は「過酸化水素」ということになります。
過酸化水素は消毒で使われることが多いオキシドールと同じ成分です。
オキシドールは過酸化水素が3%と濃度が低いのですが、ホワイトニングで使われる場合は35%以下と濃度を濃くして使われます。
過酸化尿素は10~21%使われています。
過酸化水素は低濃度のものはオキシドールのように様々な場所で使うことができますが高濃度になると爆発する可能性があります。
なので過酸化水素が「安全」と言われる濃度は36%以下となっています。
ホワイトニングで使用するときは、歯の表面に留まるように過酸化水素に増粘剤を混ぜ、ジェル状になっています。
歯が白くなる過程とは
過酸化水素や過酸化尿素は、光や温度の触媒によって酸素と水に分解されます。
このときに「フリーラジカル」という現象が発生します。
フリーラジカルはとても不安定なもので、歯の着色要因と結びつくことで安定します。
その結びついた時に、着色要因が分解され歯が白くなっていくのです。
「歯のクリーニング」では歯の表面の着色をある程度落とすことはできます。
ですがホワイトニングの場合、歯科医院で取り扱う薬剤は濃度が濃いので歯の表面だけでなく、内部組織にも薬剤を侵透させることができます。
なのでクリーニングと違って歯を本当の白さにしてくれるのです。
誤った認識でクリーニングをホワイトニングが同じと思っている方がいるのですが、内部まで浸透させることで歯の美しさを得られるのです。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの安全性
オフィスホワイトニング
「過酸化水素」を主成分とし、ホワイトニング薬剤の商品によって濃度は様々ですが35%以下を使用します。
歯科医院で取り扱うことができるので高濃度の薬剤を使うことが可能ですが、歯の状態や知覚過敏などの症状により低濃度から始めることもあります。
ホワイトニングでは歯の表面のエナメル質を超え内部組織の象牙質まで薬剤を侵透させることができます。
なので一時的に知覚過敏が起きることがありますが徐々に症状は治まっていきます。
濃度の高い薬剤を飲み込んでしまった場合、歯ぐきや口の中の粘膜が火傷したようにヒリヒリすることがあります。
歯ぐきに薬剤が垂れないよう保護してから塗布しますが、万が一ついた場合には処理をすることで施術を続けることが可能になります。
ホームホワイトニング
「過酸化尿素」を主成分とし、濃度は10~21%です。
過酸化水素と違いゆっくりと歯に浸透していくので知覚過敏症状はあまり感じないと言われています。
ですが、知覚過敏が絶対に起きないとは言い切れないので薬剤濃度を下げてもらったり休みながらホワイトニングをすることができます。
成分が優しいので、歯ぐきに垂れても問題がありません。
また、飲み込んでも特に問題はないので安全に施術することが可能です。
ホームホワイトニングに使用する薬剤は徐々に歯を白くしていくので即効性はありませんが1か月ほどで効果を実感することができます。
オフィスホワイトニングの薬剤を使うことに抵抗を感じる方は、ホームホワイトニングをオススメします。
より安全に施術を受けたいと考える方へ
ホワイトニングは薬剤の安全性だけでなく、歯の状態によってより安全に施術を受けることができます。
施術する場所選びや歯の症状も考えることで安全に安心してホワイトニングをすることができます。
- 虫歯の有無
- 知覚過敏の有無
- エナメル質の状態
- 歯科での施術かサロンでの施術か
1.虫歯の有無
虫歯がある歯に薬剤がつくと刺激を強く感じることがあります。
また、虫歯を無視してホワイトニングをしてもすぐに色の違いが分かってくるので見栄え的にも美しくありません。
なので治療を終えてからホワイトニングをすることで安全に効果を得られます。
2.知覚過敏の有無
もともと知覚過敏の症状がある方は、先に知覚過敏症状を治してから施術をする必要があります。
知覚過敏の進行具合にもよりますが、症状が強いままホワイトニングをすると痛みを強く感じ施術が途中でできなくなることもあります。
ホームホワイトニングを選択しても知覚過敏症状が強い場合はしみることも十分に考えられるので処置をすることが優先です。
処置しないままホワイトニングを始めた場合、通常一時的に消失するホワイトニングによる知覚過敏がずっと続く可能性があり、常に歯がしみるといったことになりかねません。
3.エナメル質の状態
エナメル質は歯の表面の組織です。
1番硬い組織なのですが、強く歯ブラシを当てたり、歯ぎしりなどで歯がすり減るとエナメル質に傷や亀裂が生じます。
傷や亀裂に薬剤が浸透すると、強い刺激を感じることがあります。
ハイドロキシアパタイトが含まれた歯磨き粉で日常的に歯を磨くなどすると、その傷や亀裂を埋めてくれる作用があるのでオススメです。
亀裂は目で確認できることもありますが、傷は目で確認しずらい場合もあるので歯科医や歯科衛生士に確認してもらいましょう。
4.歯科での施術かサロンでの施術か
ホワイトニングのできる場所は歯科医院だけでなく、美容関連のサロンでも取り扱いが増えてきました。
歯科医院で施術を受ける場合は高濃度の薬剤で歯を白くすることができ、歯科医や歯科衛生士がいるので何かあったときにすぐに対処してくれます。
美容サロンでのホワイトニングは短時間で安く施術が受けられると最近人気になってきましたが、歯の知識がなくても取り扱うことのできるホワイトニングです。
薬剤が歯科で取り扱っているものとは全く違うので、知覚過敏や痛みを生じることはないと言われていますが、万が一のことを考えると不安に思う方も居るかもしれません。
現在では、歯科衛生士がホワイトニング専門サロンとして開業しているお店が増えてきました。
そのような店舗が近くにあれば、知識がある歯科衛生士に相談しながらホワイトニングができるので安心して施術を受けることができます。
関連記事:セルフホワイトニングで歯は白くなるの?セルフホワイトニングの特徴と注意点
まとめ
今回はホワイトニングの安全性について紹介していきました。
薬剤自体の安全性はホワイトニング先進国のアメリカでも確認されているので安心して使用することができます。
ちなみにアメリカではより濃度の濃い薬剤でホワイトニングを行っていますが、日本では禁止されているため35%以下の過酸化水素しか取り扱うことができないのです。
身体への影響は低いものの、オフィスホワイトニングで使う薬剤のように飲み込んだり、歯ぐきにつくと火傷のような症状がでることがあります。
少しでも施術中に違和感を感じたら歯科医や歯科衛生士に相談しましょう。